松嶋菜々子さんこそ“国宝”
江口のりこさん演じる羽多子も好きなキャラ
松嶋菜々子さんのことを中園さんは絶賛する。大ヒット作『やまとなでしこ』のヒロインをやっていただけあって、松嶋さんの演じる小悪魔的なキャラは完成度が高い。
「私、松嶋さんこそ“国宝”だと思っています。大好きな女優さんです。彼女のセリフをまた書けてすごく嬉しかったし、登美子のセリフはよどみなく出てきます。
実際、やなせさんのお母様も周りから陰口を叩かれるような方だったらしいんですよ。香水の匂いが強くて、派手好きな。多分、やなせさんのお母様はドラマを見ても怒っていないんじゃないかなと思います(笑)」
羽多子(江口のりこ)も好きなキャラだという。
「実は羽多子がすごく好きなんです。とくにお気に入りのシーンは、赤いバッグを自分に貰ったと思うリアクションが最高でした。
当初はもう少ししっかりしたお母さんを想定していたのですが、私はおもしろいことが好きなのでつい書きたくなって書いてしまったら、江口さんが意図を的確に汲んでやってくれて、しかもより面白くしてくれました」
仲良しの浅田美代子さんのくらばあも当然大好き。
「くらばあが、登美子が3回も結婚していると知って『3回』『3回』とずっと繰り返しているのを、その度に羽多子がたしなめているシーンが好きなんです。ふたりとも端っこにしか映ってないのに、ふたりが言ったりやったりしそうなことを付け足してくれて。キャラクターを育ててくれたと感謝しています」
こうして見ると、一筋縄ではいかない女性が多い『あんぱん』。もうひとり気になるのは蘭子(河合優実)だ。のぶとメイコ(原菜乃華)は結婚したが、蘭子だけは豪(細田佳央太)に「一生分の恋をした」と言っている。彼女はこのままひとりで終わるのだろうか。
「蘭子と豪ちゃんがあまりにも人気で、豪に生きて帰ってきてほしいと複数の人に言われるほど。俳優さんの演技の素晴らしさがそう思わせているのだと思います。でも蘭子をなんとか幸せにしてあげたいですね」
蘭子の物語も動き出しそうだ。