
もはや災害級ではなく災害そのものだ。この夏は気温40℃越えとなり、いったいどこまで暑くなるのだろうか。酷暑は健康だけでなく、私たちの家計にもマイナス影響を及ぼしている。温暖化が進むと、どんな負担が増えていくのだろうか。その影響は想定以上に大きくなりそうだ。(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)
「旬の野菜は安く買える」
は昔の話?
1 食費節約の味方のはずの夏野菜が高い
安く買える旬の野菜は、大いに家計の助けとなる。夏野菜と言えば、キュウリ、トマト、ナス、ピーマン、オクラ、レタスなどが代表格で、最近はゴーヤやズッキーニなどもおなじみだろう。しかし、スーパーをのぞいても、夏野菜の価格はそれほど安くない。
農林水産省の8月の価格見通しを見ても、キュウリ、ナス、トマト、ピーマン、ブロッコリーは平年より高いとある。生育初期期における低温や曇天、高温・干ばつの影響により……という言葉が並んでいるが、これは納得がいく。というのも、わが家も家庭菜園で夏野菜を作っているため、異常気候を実感しているからだ。
わが家ではナス、ピーマン、オクラ、エダマメを栽培しているが、まず成長期の5月はもう梅雨入りかと思うほど長雨が続いた。あまり気温が上がらないため、植えた苗が大きくならない。と思えば、6月は真夏のようにかっと暑くなり、これまた思うように成長しなかった。
例年ならこぼれ種で雑草のように生えてくる青ジソの姿も全くない。やっぱりおかしい。本格的に梅雨入りし、それらしい気候になってからようやく成長しはじめたが、収穫できるほど実が大きくなったのは例年よりひと月近く遅れてからだ。酷暑のせいか、種まきから始めたオクラは背丈が止まったまま、これまたいつもより遅れて実がつき始めている。