ふるさと納税の“駆け込み寄付”は本当にするべき?「10月からポイント付与禁止」の気になる影響写真はイメージです Photo:PIXTA

ふるさと納税といえば、年末の駆け込み寄付を思い浮かべる人が多いかもしれない。しかし今年は、10月からポータルサイトでのポイント付与が禁止になるのを受けて、9月に大きな駆け込み寄付の山が来ると予想される。10月を境に、納税者にとって状況は変わるのか、変わらないのか。注目すべきキーワードとともにお届けする。(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)

課税対象者の6人に1人が
ふるさと納税で寄付

「お得な制度」として広く定着した「ふるさと納税」の受け入れ額は、2023年に初の1兆円越えを果たした。その勢いはその後も続き、ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」では、2024年は1.2兆円、2025年には最大1.5兆円に達するのではと予想している。

 ふるさと納税で住民税の控除を受けたのは約1000万人に達し、課税対象者の6人に1人に当たるというのだから、凄い伸び方だ。

 その原動力となっているのが、寄付のお礼として受け取れる返礼品だ。本来は自治体への応援という意味が深い「ふるさと納税」だが、魅力的な返礼品を提供する自治体ほど多くの寄付を集めているのが実際だ。

 かつては、カニやエビなどの海産物、高級和牛にフルーツといった「プチ贅沢」な返礼品に人気が集まっていたが、制度が定着するにつれて様変わりしている。2025年上半期を終えたところで、今年のふるさと納税で注目しておきたい5つのキーワードを挙げてみよう。

1 家計防衛策

 物価高が家計を直撃しているのは言うまでもなく、それは返礼品選びにも強くうかがえる。

 ふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」が2025年6月に行ったアンケートでは、お礼の品を選ぶ基準としてトップに来たのが「日常遣いできるもの」だった。同率1位で「普段より贅沢できるもの」も上がっているが、庶民の気分としては前者だろう。

 同じく「さとふる」が発表した「2025年上半期のお礼の品ランキング」では、栃木県小山市の「ボックスティッシュ」が2位になった。日用品が総合ランキングのトップ3に入るのは今回が初めてだという。

 同サイトでは物価高騰の影響によって2023年頃から日用品の人気が上昇し始め、2024年の上半期ランキングで6位、同年の年間ランキングで4位に入るなど着実に順位を上げてきた。