また、建築資材の高騰も続いており、それも保険金の引き上げ要因になる。持ち家への保険は欠かせないが、温暖化が進む限り節約は難しそうだ。
住宅だけではない。水害では自家用車が流されたり水没する被害にあうケースも多い。自動車保険に入っていても自然災害への補償は手厚くはない。買い替えになると、そのぶんの出費も痛い。いざという時に備える貯蓄は必須だろう。
年額1000円の「森林環境税」
何に使われているのか
5 環境を守るための税金等が増える
温暖化の原因と考えられているのは、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加だ。排出の原因となる化石燃料の燃焼を減らす手段として、政府は太陽光発電など再生可能エネルギーを推進している。そのため、太陽光パネルで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取る制度があるのはご存じだろう。
そして、その買い取り資金として、私たちの払う電気代から「再エネ賦課金」が徴収されていることも。2025年度の賦課金は、1kWh当たり3.98円だ。ひと月の電力使用量が400kWhの家庭モデルでは、月額1592円、年額1万9104円となるという。電気の買い取り制度が続く限り、再エネ賦課金も家計は負担し続けることになる。
もう一つ、住民税から「森林環境税」として年額1000円が徴収されている。温室効果ガス排出削減や災害防止を図る目的で、森林整備に必要な地方財源を確保するためだ。元は東日本大震災の復興増税として10年間、住民税に1000円上乗せされていたのが、令和6年度で終了したため、同じタイミングで導入されたもの。
実質的な負担額に変化はないのだが、期限付きではなく、温暖化対策として恒久的に払うことになる。むろん森林保全の大事さはわかっているが、「復興用に1000円払っていたのだから、そのまま払い続けてもいいでしょう」という無理やりな理屈に見えなくもない。
相次ぐ自然災害を見ると、この1000円が有効に活用されているのか、経過報告はしっかりしてほしい。「温暖化対策ですからね」と、お金をどんどん上乗せされていくのは困るのだ。