妻は家事をちゃんとするべき。
上司(または部下)はこうあるべき。
メールを受け取ったら、すぐに返事をするべき。
電車の中では静かにするべき。
こうした「べき思考」の押しつけがうまくいかなかったとき、つまり理想と現実にギャップがあるとき生まれるのがイライラや怒りというわけです。
不機嫌になってしまう前に
「べき思考」を見直してみる
でもギャップは当然ですよね。自分の「べき」と他人の「べき」がすべて同じなんてことはありえないわけですから。
前述のとおり、時代とともに社会の「べき」も変わっていきます。今の社会は厳しい、ストレスが増えてイライラする……そう思ったときは、自分が「べき思考」にとらわれすぎていないだろうかと考えてみることも必要です。
とはいえ、ささいなことにイライラする自分は器が小さい、ダメな人間だ、なんて自分を卑下する必要はありません。
それよりも、「ちょっと疲れているかも」「自分の常識にとらわれすぎているかもしれない」と考えて、自分をいたわってあげてください。
そのうえで「べき思考」が強くなっていると自覚できるのであれば、ちょっと見直してみましょう。
自分の「べき」は本当に正しいのか?相手の生い立ちや生活環境などバックグラウンドまで見通せているのか?
自分の思考を見直すことで、ストレスなく暮らせるようになるかもしれませんよ。
メリットがあるときだけ
怒りの感情を表現すればいい
生物としては、怒りなど感情の命じるまま生きるのが自然です。それを抑えていれば、当然ストレスもたまるでしょう。
でも、社会の中で生きている以上、怒りをそのまま出してしまうとトラブルを起こす確率が上がるし、むしろデメリットが勝まさってしまう可能性があるわけです。
メリット・デメリットを考えたうえで「怒りを表出したほうがメリットがある」と判断し、武器として使う分にはいいと思いますが、その後のことまで考えず、「なんで自分が我慢しなくちゃいけないんだ」「この怒りを相手にぶつけたい」という思いだけで行動すると、デメリットのほうが大きくなる場合が多いということ。
だからこそ、怒りを「どう出すか」が大事なんです。