野田 いや、多分すごいふてくされていたと思う。もう忘れちゃった、嫌なことだったから。でも、次の子たちには絶対ダメだな、やらせない。今はセクハラって言葉ができたので、ある程度のハードルはできた。あの時代の人が、今同じことをやると、もうバンバン取りあげられちゃう。

議員や候補者に向けられる
「票ハラスメント」

辻元 私は触られたりとかっていう経験はないけれども、嫌だと思うのは、街頭演説をしていたら、私より年上の男性が、必ずっていうほど罵声を浴びせかけたり、「うるさい女」「売国女」とかって絡んできたりすることがあるわけ。私が60代の男性議員だったら、そこまでされないと思うんですよ。女だろって下に見ているのがもう丸わかり。

 そういう人って、議員の給料は税金から出るやろ、オレらが食わせてやっとるんやないか――みたいな気持ちがあるのか、議員や候補者には、そもそも何を言ってもいいと思っているフシがある。これが女性相手となるともう、タガが外れてしまう。

 それからまた、セクハラと似たような新しい言葉が出てきて、「票ハラスメント」、票ハラね。票が欲しいから候補者が我慢するっていうね。票をやるから、俺の言うことを聞けじゃないけれども、やっぱりそういうプレッシャーっていうのが今もある。

 男性議員なんかも、会合では、やっぱりお酒を注いで回っているんですよ。数日前に京都で支援者の会合があったのね。私と男性議員のふたりがいたけれど、私は絶対お酒を注ぎにテーブルを回らないの。もうあえて回らないの。「皆さん元気ですか?」って挨拶に行っても、お酒は注がない。

 でも、その男性議員は、ビールを持って必死に回っているわけ。これは一種の票ハラ圧力なわけですね、ある意味ね。でも、私はそういうところに行っても絶対しない。「辻元さんは酒も注ぎに来ないな」って言われるけれど、やらないんですよ。

一番キツイのは
支援者からのハラスメント

野田 私はお酒好きだから、そういう席に出たら全員と飲んじゃう。

辻元 ……自分も飲むのか。

野田「どうぞ、どうぞ」って言われて注がれて、お返しに「ありがとう!」って注ぎ返す、みたいな。