野田 私は清美ちゃんと一緒に、ずっと同じキャリアで、与党と野党にもなったから使える時間の差がよくわかってる。野党のほうが、自由になる時間が多い。私自身、野党になったときに、うちの夫に「今なら子どもつくれるよ」って言ったんだよね。やっぱり与党で子どもを産もうとするほうが叩かれるよね。
辻元 聖子ちゃんのところは、夫がメインで家事や子育てしているんだよね。
野田 だから、まだ仕事を続けられてるわけで。
仕事と子育てを
個人の努力で乗り切るのは無理
辻元 結局、今のままの制度だと、どちらかが議員の夫婦に子どもができたら、議員じゃないほうがワンオペになっちゃう。
野田 例えば、私が子どもと一緒にいるじゃない?うちの子は14歳だけど、ベビーみたいで、分別がそんなにつかない(編集部注/野田聖子の息子は重複の障害児)。
そんなときに、他の国会議員とかから電話がかかってきて、それで、私が「あ、石破先生」(注2)とか言って喋っていると、横で「いしば!」とか言うのよね。もちろん相手にも聞こえちゃう。それを許容できる社会を作んなきゃいけないなと。

そもそも今日のこの時間も夫に子どもを任せてあなたと会っているんだけど、やっぱり常に私の周辺は仕事と子どもがセットになっているので、それを認めてくれる仲間じゃないと続かない。
野党のときに出産して、その後も「野党だし、ええやん」って言っていたけど、秘書さんたちに言われて深夜国会にも行ったんだよね。そのときまだ産後1カ月ちょっとだった。だから、そういうのがあるのよ。「子どもを産むと選挙に落ちるよ」とか言われたりとかね。
そういうことが、政治の場ではやっぱりちょっと積み重なりすぎていて。それを100年ぐらいかけてやってきているから、その積み重ねをはがしていくのは容易でないね。
辻元 もうさ、個人の努力だけで乗り切れっていうのは限界だよね。やっぱり制度を作らないと。私らの職業でいうと選挙制度の見直しとかもね。