“天然に見えて、実は論理派”健太郎役の高橋文哉が語る「底抜けの明るさ」の演じ方【あんぱん】

出演決定の情報発表前は
「秘密にしていないとならないことが嬉しかった」

 出演が公式発表になるまでがほかの作品と次元が違うくらい極秘事項になっているため、家族にも言えない日々が半年ほど続きました。

 戦前戦後の話なので髪の毛を短く切っても、秘密にしていないとならないことがどこか嬉しかったです(笑)。出演が発表されたとき、多くの人たちから連絡が来て、朝ドラの影響力の凄さを実感しました」

 健太郎は福岡出身で明るいキャラクター。その役を造形するために様々な工夫をした。まずは博多弁。全編、博多弁で芝居をするのは初めてだった。

「一番不安でした。台本をいただくのと同時に、その都度、方言指導の先生が博多弁で健太郎のセリフを読んでくださった音声データを聞いて覚えて現場で演じて、違っていたら修正していただいていました。

 初回の登場シーンだけは事前に先生と二人で稽古をして、気になるところを指摘していただきました。おかげさまで、自然に聞こえると言っていただけてホッとしています。事前に、旅行がてら博多に行って現地の人たちの声を聞きにいったりしたのも、意味はあったのかなと思っています」

 ともすれば、方言指導の見本の音声を正しく再現することでいっぱいいっぱいになりそうなところ、高橋さんは頼り過ぎないようにしたと言う。

「音声データを聞きすぎると方言の基本の話し方になるので、役の感情が動いているシーンでは感情に方言を乗せるように意識しました」

 重要なポイントになる健太郎の明るさに関しては、独特の表現を用いて説明してくれた。

「外見は髪型や老けメイクなどで変わっていきますが、気持ちはずっと変わらない。人が好きで、人ったらしで、底抜けの明るさと、この人のために頑張ってあげようと思ってもらえる人物です。