分業制を支えるため、それぞれの業務に特化した専門チームが存在します。たとえば、部活動の指導や生徒の進路相談、学校行事の企画運営など、専門性の高い業務については、それぞれの分野に精通した専門スタッフが担当しています。

 だから必然的に採用人数も多い。現状、教職員を合わせると1000人以上が働いています。

 分業のメリットは計り知れません。教員の負担を軽減するだけでなく、教育の質向上にも確実につながっています。一般的に教員の仕事はブラックだと言われている中で、N高の労働環境は非常にホワイトです。

「ユニオン」が
繰り返している主張とは?

 採用サイトでも公表していますが、月々の平均残業時間は17.5時間。一般的な高校の教員は、自宅への持ち帰り仕事を含めると、月に約80時間の時間外勤務をしているという調査もありますから、N高教職員の負担が圧倒的に軽いことは明らかです。

 ところがこんなホワイトな労働環境であるにもかかわらず、私学教員ユニオンという労働組合は、「N高には月90時間を超える残業をおこなっている従業員がいる」「教員1人が担当する生徒数が150人であり、教員が過重労働を強いられていて、生徒のケアもできていない」などの主張を繰り返しています。

 たしかに2020年はコロナの影響でスクーリングの開始が遅れ、10月に業務負荷が集中しました。そのため全体の1割強にあたる教員の残業時間が月40時間を超えましたが、それでも月90時間には遠く及びません。

 また、担任する生徒の数は多いですが、N高の教員は一般的な高校のように科目の授業を毎日する必要はありませんので、就業時間のかなりの部分を生徒への対応に当てられます。むしろ1.5カ月に1回は生徒と1対1の面談をおこなっている学校なんて、N高ぐらいではないでしょうか?

 雇用者側とユニオンが争うと、弱者とみなされるユニオン側の主張が認められることがほとんどです。だからユニオン側が間違った主張をしても、諦める雇用者が多いのですが、N高の場合は闘うことにして、現在、ユニオンとは裁判中です。(東京地方裁判所の令和7年5月28日判決において、学園が求める賠償請求の一部が認められ、ユニオンに支払いを命じる判決が下されました。現在、学園はさらなる名誉回復を求めて控訴中です。)

 ただユニオンの「間違った」主張は、プラスに働く面もあるかもしれません。設立当初は、教育の変革をめざす人たちがN高に入社してきましたが、現在は安定を求めて、「楽そうだから」とN高の教職員を志望する人も増えてきています。