オンライン授業を受ける女子大学生写真はイメージです Photo:PIXTA

ドワンゴと日本財団がタッグを組み、2025年4月に開学した「ZEN大学」。1学年3500人という、大規模かつ本格的なオンライン大学だ。そんなZEN大学がめざす、これからの大学教育とは――?※本稿は、川上量生『教育ZEN問答 N高をつくった僕らが大学を始める理由』(中央公論新社)の一部を抜粋・編集したものです。

規模が大きいほど
「教育の質」は上がる

 1学年3500人という人数は、多すぎるのではないかと思う人もいるかもしれません。ここは強調したいところですが、オンライン大学は規模が大きくなるにつれて、質の高い教育を提供できるようになります。

 普通の教育機関では、生徒・学生数が少ないほど質の高い教育が提供されると言われますが、オンラインの学校では逆です。生徒・学生数が増えることが、教育の質の向上につながります。なぜかと言うと、1万人のためにつくる授業のほうが、100人のためにつくる授業よりも多くのお金と時間をかけることができるからです。

 大規模なオンライン大学は、授業の質を高めるため、そして学生一人ひとりをサポートするためのコストを十分にかけることができる。大規模だからこそ、安い学費で質の高い教育を提供できるわけです。

 学ぶ側にとっても、オンライン大学のメリットは大きいと思います。まず、場所の制約がありません。インターネットがつながれば、どこでも学べます。たとえ日本にいなくても勉強ができる。時間の制約も同様です。動画を通じた講義はいつでも視聴できます。自分の好きな場所、好きな時間に学べるのです。