シングルマザー雇用は
「慈善事業」ではない!
この仕組みを使って、ちゃんと挨拶さえすれば、いつでも仕事を抜けていいというルールをつくりました。シングルマザーの人は保育園で子どもが熱を出すなど、仕事を抜けなければいけない事態が突発的に発生します。
だから、フルタイムの仕事に就くのが非常に難しくて、生活も安定しません。N高のリモートワークでは、そのようなときはいつでも抜けていいという、いわば細切れにしてもいいフレックスタイム勤務みたいなものを実現しているのです。
その後、コロナの影響で一般社員も仕事がオンライン化することが増えました。そのため一般社員のリモートワークとの比較が可能になったのですが、たとえばリモートワーク化された派遣社員との比較では、N高のシングルマザーのほうがパフォーマンスが高いことがわかりました。これはシングルマザーの方は、リモートワークしかフルタイムで働く手段がないから、より真剣に仕事に取り組んでいるからだとN高では分析しています。

つまりシングルマザーをリモートワークで雇用するのは慈善事業でもなんでもなく、ビジネス的な判断としても雇用主側にとって得になるということです。これはとても大きな意味のある事実だと思います。
もし、シングルマザーを雇用するのが慈善事業であれば、救える人数は使える予算で上限が決まります。でもビジネス判断としてシングルマザーをリモートワークで雇うことが得だということが証明できるなら、すべてのシングルマザーを救える可能性があるわけです。
N高では引き続き、現在約50名のシングルマザー雇用を100名、200名と増やしていき、ちゃんとパフォーマンスを上げて、リモートワーク雇用が得である、経済合理性があるということを世の中に示していきたいと考えています。
また、シングルマザーの方々は働ける場所がかぎられている。そういう人たちにこそ、リモートワークで働く機会を提供すべきだという声を世の中に発信していきたい。同じような取り組みが世の中に広がってほしいと思っています。