私の場合はすぐに「前職のサザビーズに導入したら、どうなるだろうか」と考えました。
サザビーズの従業員は、何百万ドルもの値段がつく美術品を日々梱包し、運搬しなければなりません。美術品は全てこの世で1つしかないもので、代替がきかないもの。運搬の過程での損傷などは絶対に許されません。
一方で、大量の美術品をオークションにかけるので、効率性も求められます。この一連のオペレーションに、トヨタ生産方式を本格的に導入したら、より効率的かつ確実に、美術品を運搬できるのではないかと思いました。
目指せ!グルテンフリーマップ完全制覇
将来は食品ベンチャーで働きたい

ハーバードビジネススクール卒業後は、大好きな「食」に関わる仕事に携わりたいと思っています。できれば、スタートアップ企業がいいですね。
変化の激しい食品ベンチャーで特に重要なのは、オペレーションを改善しつづけること。日本企業の事例から学んだことをフルに活用していきたいと思います。
今回の日本滞在で、すっかり日本の食のファンになったので、もし日本の食品ベンチャーで働くチャンスがあれば、ぜひ挑戦してみたいです。新しい食品ブランドを作ったり、メニューを作ったりすることを通じて、私のように食品アレルギーを持っている人に役立つような仕事ができたらうれしいです。
できるだけ早く、もう一度日本に行きたいですね。「グルテンフリー対応飲食店マップ」の約70店のうち、今回、訪問できたのは約30店。あと40店あるので、次回は完全制覇を目指したいと思っています!
*本記事に登場する学生のインタビューは、個人の意見を反映したものであり、ハーバード大学及びハーバード大学経営大学院の見解を示すものではありません。
佐藤智恵(さとう・ちえ)
1970年兵庫県生まれ。1992年東京大学教養学部卒業後、NHK入局。ディレクターとして報道番組、音楽番組を制作。 2001年米コロンビア大学経営大学院修了(MBA)。ボストンコンサルティンググループ、外資系テレビ局などを経て、2012年、作家/コンサルタントとして独立。2017年より東証プライム上場企業数社の社外取締役を務める。主な著書に『ハーバードでいちばん人気の国・日本』(PHP新書)、『スタンフォードでいちばん人気の授業』(幻冬舎)、『ハーバード日本史教室』(中公新書ラクレ)、『ハーバードはなぜ日本の「基本」を大事にするのか』(日経プレミアシリーズ)、『コロナ後―ハーバード知日派10人が語る未来―』(新潮新書)、最新刊は『なぜハーバードは虎屋に学ぶのか ハーバード白熱教室の中の日本』(中央公論新社)。講演依頼等お問い合わせはhttps://www.satochie.com/。