なぜ皆オニツカタイガーの店に行きたがるのかといえば、何よりもアメリカではなかなか手に入らないからだと思います。
履き心地が良くて、かっこいいと評判なのに、2025年現在、アメリカ国内には直営店がありませんし、私自身、売っている店も見たことがありません(注:2023年にアメリカ市場から一時撤退。2027年に再進出予定)。
アメリカでオニツカタイガーのスニーカーを履いて歩いていたら、「この人、日本に行って買ってきたのね」と思われることでしょう。それほど、レアな商品なのです。
それから私たちビジネススクールの学生にとって、オニツカタイガーのスニーカーは、特別な意味を持っています。
ビジネススクールの学生は、必ずと言ってよいほどナイキの創業者、フィル・ナイト氏の自伝『SHOE DOG(シュードッグ)』を読んでいますから、フィル・ナイト氏が1962年、スタンフォード大学ビジネススクールを卒業後まもなく、アメリカでオニツカ(現・アシックス)のスポーツシューズを販売するビジネスを展開し、それがナイキの創業につながったことをよく知っています。
ですから、起業家を目指すビジネススクールの学生にとって、オニツカタイガーのスニーカーは「ナイキの創業に深く関わった会社のスニーカー」であり、起業家精神を想起させるものとしても人気を集めているのです。

日本のオペレーションシステムすごすぎる!
新幹線での忘れられない体験
ハーバードビジネススクールの1年目の必修授業で学んだ日本企業の中で、最も強く記憶に残っているのが、JR東日本テクノハートTESSEI(テッセイ)です。
日本滞在中、日本の鉄道システムやオペレーションのすばらしさを身をもって体験をしたこともあり、より一層、忘れられない事例となりました。
それは「ジャパン・トレック」6日目の5月26日のこと。広島の宮島で観光した後、京都に向かい、京都駅で新幹線を降りたところで、座席上の棚においたハンドバッグを置き忘れたことに気づきました。
中にはカメラやヘッドフォンなど大事なものがたくさん入っています。「ああ、大変!どうしよう?」と一瞬、パニックになってしまいました。
すぐさまツアーガイドと日本人学生に忘れ物をしたことを伝えると、一緒にJR東海のお忘れ物案内に電話をしてくれました。