厚着という点では「ファン付きのジャケット」に興味はあるが、安いもので7〜8千円。ペルチェと呼ばれる冷却プレート付きのファンの場合、2万円を超える価格帯になることも珍しくない。1件あたり300〜500円の報酬を「塵も積もれば山となる」の精神で積み上げていく配達員からすると、残念ながら購入意欲が湧いてこない。
お金をかけない暑さ対策として、私は移動中や休憩中、積極的に日陰や木陰に避難している。けれど木陰には「蚊」が潜んでいるので、配達前は必ず虫よけスプレーをしている。年間で5本くらいは虫よけスプレーを購入するので、これだけで3000円くらいの出費になる。それでも蚊には刺されるもので、今年は既に10箇所以上、A型の私の血を蚊に提供した。
直射日光を浴びすぎると目が痒くなってくるからだろう。サングラスを掛けている配達員もいるようだ。ちなみに34歳の私は2年前、神戸三ノ宮の居酒屋で年齢確認されるほど童顔の持ち主。もしもサングラスを掛ければ、クスクス笑われるのが目に見えている(よって使用を自粛している)。
スキンケア対策、日焼け止めは塗ったり塗らなかったり、これまではあまり意識してこなかった。けれど先日知人から「将来老けるよ」「紫外線はシミ・シワ・タルミの原因になる」と教えてもらい、以降は意識して日焼け止めを塗っている。
「涼しさ」だけ求める人は二流
“一流の暑さ対策”とは?
ご覧の通り、配達員の暑さ対策には何かとお金が必要になる。けれど残念ながらこれらの出費に対して、ウーバーや出前館から補助等はない。
2025年6月より熱中症対策が義務化されたが、暑さ対策について配達員に丸投げしている(そうせざるを得ない部分もある)という意味で、フードデリバリー業界は「義務化の死角」になっているのかもしれない。