その上で、口に入る食品を扱う以上、配達員にも最低限の努力は必要だろう。子どものように開き直って「生理現象だから」「嫌ならデリバリー頼むな」といった態度を取るのは、配達のプロとしていただけない。

 汗拭きシートで身体を拭くなど、配達員の方々には「清潔感の維持」に努めてほしい。またウーバーや出前館など、サービス運営企業はこういった「ニオイ対策」に関しても支援等を検討してほしい。

 汗が染み込んでしまう配達用バッグも、定期的にメンテナンスや買い替えが必要になる。

 私は配達後、消臭スプレーを欠かさない。アルコール消毒はもちろん、自宅のベランダで太陽に当てることもある。配達員の中には「風呂場でバッグを丸洗い」する人もいるそうだ。

 ウーバー公式サイトによると、配達用バッグのお値段は税込みで4000円。一生懸命働いて稼いだお金が、お世辞にもカッコイイとは言えないバッグの購入費用に消えるのは、ちょっとした罰ゲームだ。ボロボロになるまでバッグを使う、配達員の心理は理解できなくもないが……。

 料理の見栄えが大切であるように、料理を運ぶ配達員の清潔感も大切であることを、私は声を大にして配達員に届けたい。

 なお清潔感の問題は、スーツを着たビジネスパーソンにも同じことが言える。スメハラという言葉がある通り、ニオイが原因で職場環境を悪化させているケースは、おそらく少なくないのではないか。

 本記事を通して「清潔感の維持も暑さ対策の一種」であることを社会にお届けできたのなら、元美容業界勤務(美容師さんにシャンプーやトリートメントなどを売っていた)、現ウーバー配達員ライターとしてこれ以上の喜びはない。