「手のひら1枚分の隙間」が
空いているか

 直立姿勢で壁に背中を付けてみてください。壁と「後頭部」、壁と「腰の後ろ」に手のひら1枚分くらいの隙間があるのが正しい状態ですが、いかがでしょうか。これに違和感があるようなら、日頃の姿勢が悪いのかもしれません。

▼正しい姿勢

正しい姿勢壁と「後頭部」、壁と「腰の後ろ」に手のひら1枚分くらいの隙間があるのが正しい姿勢だ。

▼悪い姿勢

悪い姿勢の例・猫背悪い姿勢の例・猫背
悪い姿勢の例・反り腰悪い姿勢の例・反り腰。頭が壁についている。

 また「手のひら1枚分の隙間」は目で見た指標ですが、感覚としては立っているときに「内くるぶし」の下、骨の終わりに体重が乗るように意識することです。体重は骨に乗せることが重要。

 ありがちなのは足の先端、つま先のほうに体重を乗せて立っていることですね。それでは体の軸が外に出てしまっていることになり、必然的に前傾姿勢となって、ふくらはぎがパンパンになってしまいます。ふくらはぎが不自然に硬い人も、立ち方が悪い可能性がありますよ。

 本来は自然な力の入れ具合、抜き具合ができていれば、良い立ち方になるはずなのです。何らかの理由で姿勢が悪い人が、意識的に背筋を伸ばそうとすれば新たな力みが発生してしまう恐れがあります。それよりも今述べたように骨を意識して立つことで良い姿勢になり、その結果筋肉のストレスを減らして疲労が軽減されるでしょう。

崩れた姿勢にならない
「座り方」のカギは「座骨」

 さて次は「座り方」です。

 ビジネスパーソンの方はデスクワークでパソコン作業も多く、前傾姿勢になりやすいと思いますが、意識してほしいのは「座骨」です。座骨の場所がわからない人は、椅子に座って、お尻の下に両手を入れ、お尻を前後に動かしましょう。左右にあるゴリゴリと手に当たる骨が座骨です。ここに体を乗せるように意識すれば、多少背中が丸くなっても、それほど崩れた姿勢にならないはず。

赤丸で囲んだところが「座骨」のある場所。パソコン作業をするときも座骨に体を乗せるよう意識しよう赤丸で囲んだところが「座骨」のある場所。パソコン作業をするときも座骨に体を乗せるよう意識しよう

 立つときは内くるぶしに、座るときは座骨に、どちらも骨を意識するというポイントをおさえてください。

 そして就寝前は、これから紹介する「背骨を動かすストレッチ」を行うことで、慢性的な疲れが軽減されます。