パーソナルトレーナー・鈴木亮司さん鈴木亮司氏 撮影=今井一詞

しぶとい腰痛・肩こり・目の疲れを一瞬でほぐす方法をご存じですか。「力を抜いて動くこと」の大切に着目し、のべ4万人以上にパーソナル指導を行う鈴木亮司さんに、ジャーナリストの笹井恵里子さんが聞きました。(パーソナルトレーナー 鈴木亮司/ジャーナリスト 笹井恵里子)

絶大な効果を発揮する
目と脳を休める「ポーズ」

 前回は体の力みを取る大切さについてお話ししました。無駄な力みは、痛みやコリの原因となる上、自律神経を乱し、睡眠や精神状態にも悪影響を及ぼすと説明しました。血流が悪くなり、新陳代謝を妨げ、疲れや不調の原因にもなってしまいます。

 しかし現代ではスマホやパソコンなどの「近くを見すぎていること」で、ほとんどの人が目のピントを調節する毛様体筋の緊張を強いています。

 そして近くを見て目が止まっていると、頭の動きが止まり、平衡感覚をつかさどる三半規管が動かないためその機能が衰えていきます。三半規管が衰えると、体のバランスが狂い、結果的に姿勢が崩れるので不自然な力みが生まれたり、自律神経が乱れたりしてしまうのです。

 クライアントの方を見ていても目の緊張から、体全体の力みや不調へつながっている人が本当に多いです。

 目の緊張や疲れには、「あるポーズ」と「呼吸法」が絶大な効果を発揮します。

 あるポーズとは、目を開けたまま両方の手のひらで目を覆うこと。そのまま2~3分、遠くを見ているつもりでいましょう。これも前回に紹介した「ボディマップ体操」の一つなのですが、「目を開けたまま行うこと」がポイント。情報が入ってくるはずなのに何も入ってこない状況によって脳が休めます。

▼目の緊張や疲れをとるポーズ

目を開けたまま両方の手のひらで目を覆う目を開けたまま両方の手のひらで目を覆う 撮影=今井一詞
正面から見た様子正面から見た様子 撮影=今井一詞

 背骨(脊柱)の両側に位置する「脊柱起立筋」は背中の上部から頭部にかけて広がり、目の影響を強く受けています。ですから目を休ませることで背骨の動きも良くなり、リラックスできます。就寝前にこのポーズを行えば安眠できますし、日中に眠くて作業がはかどらないときに3分ほどこうして目を休ませると脳がスッキリし、その後の作業がはかどります。

 そしてもう一つの「呼吸法」をご紹介しましょう。これは「首」「肩」「腰」にも連動して効きます。