つまり、たとえ緊張や不安に弱い“豆腐メンタル”でも、「私は本番に強い」「私なら冷静にやり遂げられる」と、ポジティブな自己暗示をかけるだけで、気持ちが切り替わり、メンタルも自然と強くなっていく可能性がある、ということです。

 憧れの人や目指したいモデルがいるなら、ぜひその人のことを強く思い浮かべてみてください。そして、「私はスティーブ・ジョブズだ」「私は大谷翔平だ」と暗示をかけるのです。

暗示や暗唱をするだけで
“理想の自分”に近づける

 なりたい自分を思い描くのもおすすめです。

 たとえば、プレゼン前に「自分はTEDスピーカーだ」と暗示をかけてみる。人前に出ると緊張するなら、「私はステージの上で輝いている」と心のなかで唱えてみる。

 すると、不思議なことに、体の動きや声のトーンが自然と、思い描いた理想の自分に近づいていくのです。

 これはけっしてオカルトではなく、心理学の「行動が感情をつくる(行動フィードバック仮説)」と一致しています。

 自己暗示のパワーを最大限に活用するコツは、けっして疑わないことです。「大谷翔平になれるわけなんてないよ」なんて思えば、暗示は働かなくなってしまいます。

 それどころか、「自分にはできるわけない」「どうせダメだ」という負の暗示にとらわれてしまう恐れすらあります。信じるものは救われる、という言葉もありますね。

 誰に発表するわけでもないのですから、理想の自分や憧れの人物が今の自分とかけ離れていたとしても恥ずかしがることはありません。

 きっとなれる、と信じること。なりたい自分を先取りすることで、その姿に自然と近づいていける。それが暗示とイメージの力です。

 こうした暗示やイメージは、朝の支度中や通勤中、トイレに立ったときなど、ほんの数秒のすきま時間にできるのも魅力です。