鏡を見て「今日もかわいい、石原さとみ級だ」とにっこり笑い、仕事中は「今の私、半沢直樹だ」と誠実に取り組む。こんなふうに、いくつものなりたい自分像を持つのもおすすめです。
毎日の習慣として取り入れていくと、気がついたらメンタルがぐんぐん強くなり、自然体のまま理想に近づいていた、という変化が起きてくるかもしれません。
一流のアスリートが
実践する「心の整え方」
オリンピックや世界選手権などの大舞台で、緊張や重圧をものともせずに最高のパフォーマンスを発揮するアスリートたち。
その姿を見るたびに、「どうして大きなプレッシャーのなかでもあんなに堂々と動けるの?」と驚かされることはないでしょうか。
彼らが特別なのは、単に身体能力が高いからではありません。実は、一流と呼ばれる選手たちは、技術や体力のトレーニングだけでなく、「心の整え方」=メンタルトレーニングにも多くの時間を費やしているのです。
イタリア中部にあるキエーティ大学の心理学者、マウリツィオ・ベルトロは、近代五種競技のトップ選手たちにインタビューを行い、試合に向けたメンタル準備の共通点を明らかにしました。
近代五種は、フェンシング、水泳、馬術、ランニング、射撃という異なる5種目を1日でこなす過酷な競技。心身のコンディションが少しでも乱れれば、全種目のバランスが崩れてしまいます。
調査の結果、エリート選手たちの多くが実践していたのが、「セルフイメージの強化」と「集中の質を高める技法」でした。
たとえば試合前、理想の試合運びを頭のなかで鮮明に描く「イメージトレーニング」を行う選手は少なくありません。
「うまくいった過去の試合を思い出す」
「ゴールに到達する自分を何度も想像する」
といったことで、脳の成功の感覚を先取りし、心が落ち着くのだといいます。
また、ウオーミングアップ中に、腕の角度や足の運び、道具の感触といった細部に注意を集中する「フォーカシング」もよく使われる手法です。