防犯の極意は“徹底的な嫌がらせ”
その基本は「防犯4原則」にあり

 泥棒の手口や侵入経路を知った上で、具体的にどんな防犯対策をすればいいのだろうか。

「警察では、時間、音、光、地域の目を意識した防犯対策を推奨しています。『防犯4原則』と呼んでいますが、対策すればするほど、“泥棒に選ばれない家”へと変わっていきます」

 一つ目の「時間」とは、侵入に時間がかかるよう防犯を強化すること。侵入開始から5分たつと侵入者の約7割が諦め、10分以上たつと侵入者のほとんどが諦めるというデータがある(警察庁 住まいる防犯110番)。侵入に時間がかかると犯行を目撃され、通報される可能性が高まる。時間をいかに稼ぐかが、最初のポイントになる。

 具体的には、窓やドアに補助鍵を取り付けたり(ワンドア・ツーロック)、ドアの隙間をガードプレートで補強してバールへの耐性を強化したり、防犯フィルムを窓ガラスに貼ったりという対策が挙げられる。

 また、意外な盲点が「侵入の足場」だ。

「庭に脚立が出しっぱなしだったり、母屋に隣接して物置やカーポートが設置されていたりすると、それが2階に登るための格好の足場となり、短時間で2階からの侵入を許してしまいます。侵入まで時間がかかるよう、家の周りに足場になるようなものを置かないことも立派な対策となります」

 突然の大きな「音」や強い「光」も、侵入者にとって嫌なもの。家の人や近所の人に気づかれて通報されるリスクが一気に高まるからだ。

「音」に関する対策には、窓やドアに開閉や振動を検知する「防犯アラーム」を設置する、家の周りに踏むと大きな音がなる「防犯砂利」を敷くなどがある。

「光」を活用した対策には、玄関や家の周りにセンサーライトを取り付ける、庭木を剪定する、外出中も室内の照明を点けて在宅を装うなどが挙げられる。