最大の「侵入される要因」は?
共同住宅では合鍵にも注意
では、犯人は一体どうやって家に侵入してくるのか。警察庁の全国のデータ(2024年)によると、戸建てでも、マンションなどの共同住宅でも、「ガラス破り」を抑えて、なんと「無締り」が40〜50%を占めている。
「無締り」とは、窓や玄関の鍵を締めていない状態のこと。外出時のうっかりしたかけ忘れだけでなく、夜間就寝時に施錠していない窓から侵入されるなど、在宅時の被害も含まれている。
「泥棒に嫌がらせをするのが防犯対策だとお話ししましたが、無施錠では逆に『どうぞ入ってきてください』と言っているようなもの。特に、地方に住む高齢の方は、昔からの習慣で無施錠の傾向が見られます。実家の両親などが該当する方は、外出時や就寝時はもちろん、在宅時にもしっかり施錠するよう、事あるごとに伝えていただきたいですね」
もう一つ、「侵入窃盗の侵入手口(全国・2024)」で注目したいのが、共同住宅で割合が高くなる「合鍵」だ。これは、集合ポストや玄関先の植木鉢の下などに隠しておいた鍵を見つけられて、侵入されるケースなどが含まれる。さらに、近年では新たなリスクも生まれている。
「SNSにアップした写真に鍵が写っていて、その画像から鍵のナンバーを読み取られ、合鍵を作られて侵入された、というケースも実際にあります。メーカーの純正キーには固有のナンバーが刻印されており、その番号さえ分かれば同じ鍵を作れてしまうのです」
家族との鍵の共有は、ポストなどに隠すのではなく、必ず手渡しで行うこと。また、鍵が写った写真をSNS上で公開しないように注意しよう。
なお、SNSなどに「今、ハワイへ家族旅行に来ています!」などと外出の様子をリアルタイムで投稿するのも、自宅に不在であることを不特定多数の人に知らせることになり、危険だ。自分だけでなく同行者の投稿にも注意。泥棒に有利な情報を与える投稿は、行わないようにしよう。