その予想は的中。社内のいろいろな人に同様の声がけをしていたようです。「Aさんはいろんな人に『あなたみたいな人好きです』と言っていて、信用できない」と評判になってしまいました。

 きっと中には、本当に仲良くなりたい「好きな人」はいたのだと思います。ただ、いろいろな人に同じようなことを言ってしまったため、結果的に誰からも距離を取られてしまいました。業務上でも「信用していいのか」と不安に思われ、信頼を失ってしまったのです。

 悪気はなく、距離を縮めたいがゆえの言動かもしれません。それが仇になってしまった、という印象に残るエピソードでした。

「辞める辞める詐欺」で
チームは疲弊する

 また、受付嬢時代から、経営者になった今でも時折遭遇するのが、”かまってちゃんキャラ”の人です。こういう人がチームにいると上司だけでなく、同僚や部下も疲弊してしまいます。

 今は売り手市場と言われており、採用したい企業の求人数に対して、求職者が少なく、圧倒的に求職者の方が有利です。そんな風潮も手伝ってか、「今の職場が嫌だったら、いつだって辞められる」と思っている人も少なくないのではないでしょうか。

 これも受付嬢時代の話ですが、「辞める辞める詐欺」を繰り返す人がいました。

 派遣社員というのは一般的に3カ月ごとに派遣契約を更新していくスタイルです。更新が近づいてくると、派遣会社の人が本人に更新の意思確認をします。

 受付時代に一緒に働いていたBさんは、派遣会社の人との面談時間がやたらと長く、業務にも支障が出るほどでした。更新のたびに、「更新しようか迷っている」といった話をするのです。

 派遣会社の方は改善できることや不安に思うことがあれば解決した方がいいと思い、「何か理由があるんですか?」と質問するのですが、返事はいつも決まって「特になし」。

「では、なんで迷っているんでしょう?」と聞くと、「みんないい人だし、働きやすいし、ここにい続けていいのかなと思って」だったり、「社員のCさんにこんなことを言われて、自信をなくしてしまった」などと些細なことをすごく気にしていたりと、派遣会社の人も周りのスタッフもお手上げ状態でした。