面談の時間が長いのは、他の受付スタッフにも迷惑がかかっていました。明確な理由もなく他人の時間を使い、自分の存在価値を確認する行為は、信頼をなくし、嫌われていくだけです。

 Bさんの場合、最終的には派遣先の企業から契約の終了を言い渡すこととなりました。自分の言動が周りにどういう影響を与えるのか、気づく機会になっていればいいなと思いますが、その後どうなったかはわかりません。

 仕事はチームで行うものがほとんどだと思います。目の前の業務をより良いものにしようとするだけでも必死なのに、メンバーが一人でも不安定なコミュニケーションをすると、そのマネジメントに相当な時間を費やし、リーダーやチームの負担は増加します。

 社会人として組織に所属する以上、「退職」というキーワードは安易に口にするべきではないと考えます。

仕事ができる人は
「記憶力」がいい

 一方、好かれる人にはどういう共通点があるのでしょうか。

 受付嬢時代に仕事ができるかできないか、その判断基準の一つになったのが「記憶力」です。

 社員の名前と顔と役職を覚えること、そしてお客様の名前と顔をどれだけ覚えているかで圧倒的に仕事の質に差が出ました。その時に、「自分のことを覚えていてくれるだけで、喜んでもらえるんだ」と驚いたことを覚えています。

 これは経営者になった今でも日々感じます。

 受付嬢時代と違い、同じ人に何度もお会いする機会は少ないですが、記憶力がいいことはビジネスパーソンにとっても武器になります。

 私は、比較的いろいろなことに興味を持ちやすい性格と、受付嬢時代に鍛えられたこともあってか、記憶力がいいと言われることがよくあります。会食をご一緒した際、「以前、こんなお話をされていましたが、その後どうなったんですか?」など、半年や1年前に聞いたことを覚えており質問すると、驚かれます。同時に非常に喜んでもらえることが多いです。

「覚えていてくれたんですね!私からするとくだらない話をしちゃったかなって思っていたのですが、ちゃんと聞いていてくださったんですね!」と好印象を持っていただけます。