語彙力があるというのは、難しい単語を使ったりひけらかしたりするという意味ではなく、「ちょっと笑えるたとえを加える」や「ふわっとした感情に、ぴったりの表現を当てはめる」など、空気を読んだコミュニケーションができるということです。
例えば、「今忙しいんです!」ではなく、「今日は分刻みのスケジュールで、もはや売れっ子のタレントレベルです!(笑)」というひと言は、場を和ませ、人を惹きつけます。
相手の気持ちを押し量る語彙力を持つだけで、「この人と話すと心地いい」と思わせる力になり、味方が増えていきます。
好かれるか、嫌われるかは
「伝え方」で決まる
これまでに述べたことを踏まえると、嫌われる人と好かれる人を分ける大きな要因は、「伝え方」にあるといえます。
伝え方がうまいかへたか。それだけで、相手が受ける印象は天と地ほどの差が生まれます。
良い人間関係を築きたいという目的は同じだったとしても、上っ面な言葉で伝えてしまうと信頼を失ってしまいます。一方で、人の話をちゃんと聞き、記憶し、語彙力を使って伝えることで好印象を与え、信頼を勝ち取ることができるのです。
人の好き嫌いというのは、こんな「誤差」の積み重ねでできてしまうものです。言い換えると、一朝一夕で得られるものではないということ。日々の小さな努力の積み重ねが、のちの大きな差になっていくのだと改めて感じました。