「毎日を気分良く過ごしたい」「他人に振り回されるのをやめたい」「自己肯定感を高めたい」……そんなあなたにおすすめなのが、日韓累計40万部を突破したベストセラー『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(キム・ダスル著、岡崎暢子訳)だ。本記事では、ライターの小川晶子氏に、「善意への見返り」についてご寄稿いただいた。(企画:ダイヤモンド社書籍編集局)

【失礼な人あるある】「他人の善意を当然だと思っている人」に対するトドメの一言とは?Photo: Adobe Stock

縁を切るときは
「今までありがとうございました」

 相手のために時間と持てる能力を使い、他の仕事を犠牲にしてまで尽くしたのに、それを当たり前に受け取ってねぎらいの言葉すらない人がいた。

 もともと「お役に立てるなら」と(報酬などはなく)善意で始めたことではあるが、「もっとああして、こうして」と注文に答えるのがしんどくなってきた。

「私の力が及ばず、期待に応えられないかもしれません」

「あっそう。じゃあ別の人に頼むから」

 当然のように言うのだった。私は混乱した。

 え? 終わり? 「今までありがとう」の一言もなく?

 悲しいとか腹が立つとかではなく、混乱した

 その人は「だって、あなたがやりたいからやったことでしょ」という顔をしている。

 だから「今までありがとうございました」と私のほうがお礼を言って尽くすのをやめたのだが、非常に勉強になった出来事だった。

「相手のために能力と時間を使ったのだから、感謝されるべきだ」と私は思っていたのだけれど、相手からするとそれは私の勝手だった。

「希望は言うけど、それに応える応えないは自由なんだし、やりたくないならやらなければいい」という、ザ・自由な考え方の人。

 ちょっと浮世離れしたところがあって、人を惹きつける魅力があるのだが凡人にはついていくのが難しいのだった。

 だが周りの人に聞いてもこういうタイプの人は意外といるようである。なぜか尽くしてくれる人が現れては消え、現れては消え。本人は当然のように「尽くしたいから尽くしているんでしょ」という顔をしているのだ。

 別に契約違反をしているとか、犯罪をしているとかいうわけではないし、悪人なわけじゃない。感性が違うというだけなんだろう。ただ、「返してくれない人」に尽くすのは、しんどい。

 見返りを求めずに行動できる自分でいたいとは思うけれど、無碍にされたような違和感がどうしても溜まっていく。

「返してくれる人」に尽くす

『人生は「気分」が10割』の中にはズバリ「『返してくれる人』に尽くす」という項目がある。

 見返りはどんなものだって構わない。自分が相手に対して何かしてあげたうち、半分でも返そうという誠意が相手から感じ取れれば十分に満足できる。しかし、こうした誠意すら見せない相手に対しては、違和感だけが募っていく。

 相手がそんな態度では、こちらはがっかりするだけでなく傷つきもする。生物学的に見ても報酬系回路に逆らっているようなものだから、当然、苦しく、つらくなる。

 結局、脳のためを思うと、きちんと返してくれる人に対してだけ尽くしたほうがストレスが少ないのだ。
 ――『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(p.181)

「返してくれる人」にだけ尽くすのは、なんだか打算的な感じがするかもしれない。だが、自分を守り、気分よく生きていくためには大切なことである。

 少なくとも、相手が「尽くしても尽くしても返してくれない人」だとわかったら、これも一つの勉強だったと思って「ありがとうございました」と離れるのが良いのではないだろうか。

(本稿は、『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』の発売を記念したオリジナル記事です)

小川晶子(おがわ・あきこ)
大学卒業後、商社勤務を経てライター、コピーライターとして独立。企業の広告制作に携わる傍ら、多くのビジネス書・自己啓発書等、実用書制作に携わる。自著に『文章上達トレーニング45』(同文館出版)、『オタク偉人伝』(アスコム)、『超こども言いかえ図鑑』(川上徹也氏との共著 Gakken)、『SAPIX流 中学受験で伸びる子の自宅学習法』(サンマーク出版)がある。