シスが培われてきた
フィンランドの厳しい風土

 冬は暗く、寒い日が長く続くという気候条件は毎年繰り返されることで、誰かの力で変えられることではありません。そういった過酷な自然環境を受け入れて、対処する能力を培ってきたのだと思います。

 今日は快晴で暖かくて、白樺の葉が風に揺れていて天気がよくても、明日はまた寒いかもしれない。そして、毎年とても待ち遠しい6月から8月にかけての夏は、半袖で出かけられる天気を期待しますが、年によっては肌寒い日が続く場合もあります。

 これは、同僚の言葉を借りればフィンランド人にとって「人生で一番の大惨事」。それでも来年はきっとよくなる!と信じ続けます。

 そんな中で今を大事に生きようという気持ちを強くもち、現状に満足し、常に多くを要求しないフィンランド人が多いと思います。この忍耐力、前向きでいる力、シスこそがフィンランド人の幸福感に影響していると思っています。

 話は変わりますが、世界一まずい飴として知られているフィンランドの「salmiakki(サルミアッキ)」をご存じでしょうか?その中に「sisu」という商品があるのですが、フィンランドで一番売れているサルミアッキといううわさもあります。

 サルミアッキは、フィンランド人は好きな人が多いですが、私はフィンランド人らしくないからか、本当にまずいと思っています。

受験勉強中、母が買ってきてくれたニョロニョロのマグ同書より 拡大画像表示

 しかし高校の卒業試験(各科目6時間以上の試験を6科目分受けて、計42時間)と大学受験の勉強をしていた時に、あまりのまずさで目が覚めるので、よくなめていました。そのシスのおかげなのかわかりませんが、一発で受かる人はほぼいない学部に合格した時はとてもうれしかったです。