出産から遺体の清めまで…フィンランドのサウナは「整う」だけじゃなく、まるで“社会の縮図”だった!写真:WAVE出版提供

フィンランドで暮らす人々にとって、サウナは単なる娯楽ではない。日常に深く根ざし、世代を超えて受け継がれてきた習慣だ。なぜ彼らは、これほどまでにサウナにこだわるのか。フィンランド出身のインフルエンサー、ラウラ・コピロウ氏が、その背景にある価値観を綴る。※本稿は、ラウラ・コピロウ『フィンランド発 幸せが見つかるライフスタイル』(WAVE出版)の一部を抜粋・編集したものです。

フィンランドのサウナは
赤ちゃんも入れる?

 私は生後10カ月でサウナデビューをしました。ただ、これは珍しいことではなく、ほとんどのフィンランド人は生後6カ月から1歳ぐらいにはサウナに入っていると思います。

「sauna(サウナ)」という言葉は世界でもっとも知られているフィンランド語で、発音はフィンランドでも日本語と同じ「サウナ」です。

 フィンランドの人口は約556万人で北海道の人口より少し多いくらいですが、サウナはなんと300万から350万個もあるといわれています。300万個以上というのは、フィンランド人が一斉にサウナに入れる数。さらには、3人で2つのサウナが使えるという計算になります。

 なぜこれだけサウナが多いのかというと、フィンランドのサウナは日本のお風呂のような存在だからです。すべての家に自宅サウナがあるといってもよいでしょう。加えて、サマーコテージや公衆サウナ、国会議事堂、企業のオフィス、観覧車にまでサウナがついているところもあります。

 さらには、氷で作ったサウナや、ボートでサウナを楽しむフローティングサウナまで!フィンランド人がいるところにはサウナが絶対にあるといっても過言ではありません。