日本人なら共感できるかも…「世界一幸福な国」フィンランドを支える「sisu」の考えとは?写真はイメージです Photo:PIXTA

フィンランド人に根づく「sisu(シス)」という考え方には、静かに耐え、前に進む強さがある。その姿勢は、日本人の価値観にもどこか通じるものがあるという。北欧のライフスタイルを発信するラウラ・コピロウ氏が注目する、ふたつの文化に共通する心のあり方とは?※本稿は、ラウラ・コピロウ『フィンランド発 幸せが見つかるライフスタイル』(WAVE出版)の一部を抜粋・編集したものです。

フィンランド人の国民性を表す
「sisu」の精神とは?

「sisu(シス)」という言葉を聞いたことはありますか。

 sisu(発音:see'-so、シというよりも英語のseeのほうが近い)とは、とても翻訳しづらいフィンランド語で、困難な時にも諦めずに頑張る力、前向きでいる力、心の中にある意思の力といった意味の言葉です。

 シスは多くの場合、意思の力に加えて、汗や時には涙も伴う努力も含まれるのですが、我慢とも自己犠牲とも異なる、自分のため、よりよい明日のためにひそかに頑張るポジティブな力です。これはフィンランドの国民性を語る上で欠かせないものです。

 しかしフィンランドに行っても、シスという言葉を耳にする機会はほとんどありません。

 なぜなら、「自分はシスをもっている」、「私はシスを発揮した」などと誰かと話すことは絶対にないからです。自分で自分のことをほめることが好まれない国です。

 では、シスはどのような場面で見られるのでしょうか。それは、新聞などのメディアを通じて出会うこともあります。