不安になる一番の原因は、教育不足です。考え方とやり方をきちんと教えれば、高度な専門スキルが必要な場合を除いて、大抵のことは任せる側と同じレベルで仕事ができるもので、心配は杞憂である場合が多いと言えます。

 また、部下の特性を熟知したうえで任せていかなければ、スムーズに業務を遂行できません。

 任せた仕事に積極的に取り組まない様子を見ると、やる気がないな!とか、不真面目だ!などと思い、不快に感じて、こちらがストレスを溜めてしまう場合もあります。

 そうなる理由が、好きではない業務をやらされているからであったり、苦手な業務だったからと分かれば、部下の見方が変わってきますし、対応策も考えられます。

 そのためには、部下1人ひとりに目を向け、理解を深めることが必要です。

仕事を任せるメリット1
自分の時間ができる

 仕事をしっかり任せることができるメリットは、リーダー(任せる側)、部下(任せられる側)の双方にあります。腹落ちしたうえで、任せることを実践しましょう。

 働く者に与えられている時間は有限です。企業に勤務している場合、多少の残業はあるかもしれませんが、多くは1日8時間です。時間内に、やらなければならないことを完了させて、自分がやりたいと思うことにも取り組んでいきたいですよね。

 ただ、やらなければならない業務を大量に抱えていると、自分がやりたいことにまでたどり着けず、1日が終わってしまいます。やりたいことに手が付けられない状況が続くと、フラストレーションが溜まります。

 リーダーが、自分の仕事の一部を部下に任せることで、これまで作業に費やしていた時間を削減できます。空いた時間に「自分がやりたいこと」に取り組むことができるので、イライラしていた状態から解放されます。心理的な余裕が出てくるでしょうし、落ち着いて物事に取り組めるようにもなります。