芸能人は感覚が違う
賛否を呼んだ12分の動画

 賛否を呼んだのはYouTube「バービーちゃんねる」で8月末に配信された「愚痴っちゃう日もあるよね?」という12分ほどの動画。この動画の後半で、バービーはカメラを構えるスタッフに語りかける形で、「週5フルタイム勤務の日本ってヤバくない?」「これが1番の癌だろと思ってるんですよ私」「チャットでラリーしてどうしても伝わらないところだけ電話すればいいところ、1時間20人集めてオンライン会議は無駄」などと語った。

 コメント欄を見ると、「やっぱり芸能人と一般人の感覚って違うんですね」「働かなくてすむなら働きたくないです。チャットで済む仕事だけで回る世の中なら」といった批判が見られる。一方で、「俺は極力働きたくないから同意見だわ」といった同調や、批判的な意見に対してバービーの発言の真意を説明しようとするコメントも見られる。

「週5、1日8時間フルタイムやばい」の部分が強調されてネットニュースになってからは、「リーマンで週5で8時間労働に収まるのは勝ち組」「この人自身が中小零細で働けばそんなこと言ってらんねーって理解できるかも」など、労働状況のシビアさを嘆く声も見られ、フリーランスの芸能人にはわからないのだといった批判が見られる。

 バービーは労働者(と、その家族)のためにも働き方改革が必要だという話をしているのだが、見ている人の一部は、週5日フルタイム(あるいはそれ以上の残業)で働いている自分の労働スタイルを高収入芸能人からバカにされた、と受け取ったようである。

 連休明けや毎週月曜日が憂鬱でたまらないというのはSNSでも共感を呼ぶ働く人たちの愚痴であり、好んで長時間労働をしたい人は少数派であるはずだ。働き方改革が前進すればその恩恵を受ける人も多いであろうに、しかし芸能人がこのような発言をすると、見下されたように感じる人が一定数いる。なんとも悲しいすれ違いである。