「とりあえず動く」のではなく
「思考の解像度を上げる」作業を

 アドバイスをもらった私は、どうすればいいか考え込んでしまいました。

 するとその先輩は、

「考える要素と優先順位を一緒に整理しよう」

 と言ってくれました。

 そして、

「企業の成長の方向性を検討するには、市場、競合、自社を比較する『3C(Customer 、Competitor、Company)』という便利な思考の枠組みがあるから、それを使って、まずはCustomerの要素を出していこう」

 と会話をリードしてくれました。

「やりたいこと」に対して、「考える要素」の全体の枠組みのことを「フレームワーク」と言います。

 最も汎用的なフレームワークは「5W1H(Who、What、Why、When、Where、How)」です。

 例えば「ドライブしたい」のであれば、「誰と」「いつ」「どのような方法で」といった要素を出していくことで、実際にドライブすることができるようになります。

図表:「思考の地図」=フレームワークを共有する同書より転載 拡大画像表示

「やりたいこと」の言語化ができたら、「とりあえず動く」のではなく、思考の解像度を上げるための地図となる「フレームワーク」をシェアする話し方をすることで、作業の無駄や失敗を防ぐことができるのです。

 フレームワークをシェアすることで、相手の思考は「やりたいこと」を実現するために考える要素と順番を整理することができ、思考の解像度を具体的に上げられるようになります。

 そして、それぞれの要素について「このアイデアはどうだろう?」「これを知っている人に聞いてみよう」と思考が先へ動き出します。