要素と順番を意識して
話しを進めていくメリット
先ほど紹介した先輩は、私と話をする際に、常にフレームワークから話を始めていました。
その先輩と居酒屋へ行った時、私がメニューを開いて「何を食べましょうか?」
と聞くと、
「この店の料理のジャンルは『和食』で、カテゴリは『前菜』『煮物』『焼物』『ご飯物』か。まずは、前菜はどれがいい?」
とまず料理のジャンルを示し、次に料理のカテゴリを整理し、考える要素の優先順位をつけて話を進めてくれたので、
「まずは枝豆ですね。おっ、卵焼きも食べたいです!」
と、私は食べたい料理までスムーズに辿り着くことができました。
この先輩だけでなく優れたコンサルタントは、仕事でもプライベートでも常に「やりたいこと」の次に「フレームワーク」を話す習慣を持っていました。
言い換えると、お互いの頭の中に共通の思考の枠組みをつくる話し方をしているのです。
この習慣を身につけると、「やりたいこと」を実現するために相手が「考えるべきこと」の全体像を提示できるようになります。
そして、相手の半歩先から、考えを深める要素を順番に整理し、思考をガイドできるようになります。
考えを深める要素に
「優先順位」をつける
ある日、入社したての社員と同じ居酒屋へ行きました。
私が先ほどの先輩と同じように料理のフレームワークを頭に置いて話そうとすると、
「ご飯物、うまそうですね!カツ丼にしようか、焼きそばか迷います…」
と、新入社員はいきなりご飯物から考え始めたのです。
私は「まず、前菜から」と考えていたので、私は新人コンサルタントに「前菜から順に頼んで、お腹の具合を見ながら最後のほうにご飯物を注文しない?」と提案しました。
ものごとには考える順序があり、ご飯物から先に考えると、前菜やその他の料理がどの程度食べられるか予想がつかず、選ぶことができません。
一方、前菜から考えて、お酒を飲みながら少しずつ食べれば、最後にお腹に入る分量のご飯物を選ぶことができます。