このように、フレームワークをもとに考える要素を整理した次は、考えを深める要素に優先順位をつける話し方をします。

 そうすることで、相手の思考を混乱させることなく順序立てて思考をガイドできるだけでなく、それぞれの要素を行ったり来たりするのを防ぐ効果もあります。

フレームワークを使って
会話を進めていく方法

 ここからは、相手の「やりたいこと」の全体像を整理する話し方のテクニックについて、いくつかご紹介します。

 ある日、知人のコンサルタントの会社の近くでランチへ行った時のことです。

 私が「今日ランチどこ行く?」と聞くと、

「この辺だと『和食』『中華』『イタリアン』があるけど、どれがいい?」

 と料理のジャンルを聞いてきました。

 私が「久々にイタリアンがいい」と言うと、

「じゃあ、『生パスタの店A』『釜焼きピザの店B』『グリル肉の店C』のどれがいい?」

 と料理名を挙げてくれました。

 私は「グリル肉の店C」を選び、知人と楽しいランチを過ごしました。この時、店を選ぶのにかかった時間はわずか30秒ほどでした。

 この例での「やりたいこと」は、「知人の会社近くでランチを食べる」です。初めに知人は会社近くの店の「料理のジャンル」を提示しました。

 私が「イタリアン」を選ぶと、次に「料理の種類」を提示しました。

 このように、フレームワークを使って相手の思考をガイドする場合には、(1)考える要素を「横」に広げる、(2)考える要素に優先順位をつける、(3)優先度の高い要素を「縦」に掘り下げるという流れで進めると、スムーズに話を進めることができます。

 別の知人とランチへ行き、知人の会社近くで食べることになりました。

「『パスタ』と『ピザ』の店があるけど、どれがいい?」

 と知人が料理名を挙げてきました。

 私は前日の夜にイタリアンを食べたので、

「イタリアン以外がいい」

 と答えると、

「じゃあ、『とんかつ』か『焼きそば』なんかどう?」

 と聞いてきました。