「あの大事な紙、どこいった?」のイライラに終止符をうち、お金、時間、人生をコントロールしよう! 10万人を救った紙片づけメソッドの図解版『見るだけでわかる! 図解 紙片づけ』(石阪京子著)が発売に。「必要な紙が5秒で見つかる」画期的な片づけ術が、図解で直感的に分かり、紙を減らすスマホ活用術も超絶丁寧に解説。本連載では本書から、抜粋・編集してメソッドを紹介していきます。

全部、きれいに収納してるのに、肝心な時に見つからない。その理由にハッとした。©奥川りな(「見るだけでわかる! 図解 紙片づけ」より)

紙の片づけでは、収納よりも選択眼が重要

 突然ですが、クイズです。
 紙片づけを成功させるために最も大切なことは、次のA、Bどちらでしょうか?

A 大量の紙の収納の仕方を知ること
B どの紙を捨ててどの紙を残すかを知ること

 正解は、Bです。
 家の中の紙片づけで一番大切なのは、「どう収納するか」ではなく、「何を残すか」を知ることです。本当に必要な紙を見極めることなのです。

 そのことがよくわかる、お片づけレッスンの生徒・Aさんのエピソードを紹介します。

きれいにファイルしても、肝心のものが…

 Aさんは、60代のパート勤務の女性。これまで家事と仕事に忙しい毎日でしたが、お子さんたちが独立したのを機に、家を片づけることを決意しました。

 Aさんが特に気になっていたのは、押入れにためこまれていた大量の紙たちです。そこで、それらの紙をリビングに運んできて分類を始めました。

 年賀状、取扱説明書、いつかじっくり読み返したい雑誌、勉強したい英語のテキストなど。子どもたちが小学生のときの学級便りまで出てきました。懐かしく思いながら、Aさんはどんどんジャンルごとに分けていきます。バラバラの紙は一枚ずつファイルブックに入れ、雑誌やテキストはファイルボックスに入れて本棚へ。

 そして、ついに完成。ファイルブックやファイルボックスがズラリと並ぶ様子を見て、Aさんは大きな達成感を感じたそうです。

 ところが後日、事件が起きました。

 ご主人が入院することになり、保険証券が必要になったため、家の中を探し回りましたが、なかなか見つかりません。というのも、片づけを始める前に、「とりあえず後回し」と思って積んでいた紙の山が、まだいくつも部屋のあちこちに残っていたからです。

 結局、その保険証券は、寝室の棚の奥に置きっぱなしだった紙袋から見つかりましたが、Aさんは「なぜ大事な書類を先に見極めておかなかったんだろう…」と強く後悔したそうです。

「本当に大事な紙は何なのか?」がわからない

 読者のみなさんも、Aさんのエピソードは、他人事とは思えないのではないでしょうか。

 自分なりに頑張って収納はしているんだけど、実は収納されているのは不要な紙ばかりで、本当に必要な紙はあちこちに散らかっている、あるいは、収納している紙の量が多すぎて結局探し出せない…など。

「間違って捨てたら大変」と思って紙を全部残しておいたとしても、肝心なときに必要な紙を取り出せなければ意味はありません。

 捨てたら致命的と思ってとっておいても、必要な紙があることを忘れたり、見つけられなければないのと同じ。結局、致命的なのです。

*本記事は、『見るだけでわかる! 図解 紙片づけ』より、抜粋・編集して作成しております。