マスク氏の場合、新たに手に入る147兆円を全部使って火星移住を実現するというのは現実的にありそうです。イーロン・マスクはいずれ人類が滅びるだろうと考えていて、宇宙事業を始めたきっかけも自分が生きている間に火星到達を実現したいという考えからです。
147兆円といえばNASAの予算に換算すると、およそ40年分に相当しますから、個人で火星移住プロジェクトを実現するには十分な個人資産だと言えるでしょう。
マンガを超える超大金持ちであれば別の選択肢もありえます。国や地域を買って、そこに気候変動をものともしない理想郷を作るのです。
たとえば、ドナルド・トランプ大統領が地政学的な理由からグリーンランドを買収したいと言い出しました。デンマーク政府は当然ながらグリーンランドは売り物ではないと不快感を表明しています。
ただグリーンランドは自治州なので、よりよい提案があれば住民投票でデンマークから独立後に新国家として独自の判断を下す可能性はあります。地球温暖化で日本の最高気温が45度を超えて人が住めないような時代になれば、逆にグリーンランドは住みやすい場所になり得るのです。
これはマンガのストーリーとして聞いてください。グリーンランドのGDPは5000億円程度です。仮にイーロン・マスクがその100年分を支払ってグリーンランドの所有者となり、そこに地球温暖化後の楽園を建設したいと提案したらどうでしょうか?約5万人の住民は、そこに住み続ける権利も得られるという条件だったらどうでしょう。住民の心は動くかもしれません。
そしてマスク氏から見れば、世界最大の島を買ってもまだ100兆円の不動産開発費が手元に残ります。
別にグリーンランドでなくても大丈夫です。カナダや北欧など高緯度の地域が今後、温暖化で地政学的な価値が大きく変わるとしたらどうでしょう。北海道に匹敵するほどの広大なエリアを個人で購入して、そこに自治政府を作ることは147兆円の超金持ちであればたやすい話です。