話している自分をスマホで撮影した動画を見ると、最初は「恥ずかしい」「とても見ていられない」と思うかもしれません。しかし、何度も見ているうちに慣れてきます。練習を重ねて改善していけば、抵抗感も薄れてくるはずです。
ちなみに、私も自分が出演しているテレビ番組やYouTubeの映像を定期的に確認するのですが、先日、WBSの最初の挨拶のところで、覇気が無く声も小さい自分に気付き、大いに反省しました。
撮影すればわかることですが、自分ではきちんと話しているつもりでも、実際にはイメージと全く違う姿が他人に見えていることがほとんどです。自分が見ている自分と他人が見ている自分は別のものです。また、頭蓋骨を介して聞こえる自分の声と、空気を通じて相手に聞こえる自分の声も、音色は全く異なります。
「伝える力」の習得における
場数を踏むことの重要さ
次に乗り越えるべき2つ目のハードルは、自分をプレゼンや発表、営業トークなど、伝えるべき場面に強制的に置くことです。それで場数を踏むことです。
あなたは「次のプレゼン、自分がやります!」と積極的に言えるでしょうか?会議で発言するチャンスがあったとき、自ら手を挙げられますか?商談や打ち合わせで、相手とのやり取りを自分が引き受ける決断ができますか?
多くの人が、この場数を踏まずに、単純に伝え方を向上させようとします。書店に並ぶ「伝える本」を読んで頭に入れればなんとかなると思っています。しかし、それでは全く向上しないでしょう。何度でも言いますが「まずはバッティングの基礎を練習し、何度も打席に立つことが大事」なのです。打席に立たないバッターが素振りだけでヒットを打てるようにはなりません。
最も重要なのは、話さなければならない環境、失敗させられる環境に自分を強制的に置くことです。つまりプレゼンや話す回数を増やすことです。
その人の伝える力やプレゼン能力を決定付けるのは、その人がこれまでに置かれてきた環境という要因が5割以上を占めます。