
最近うだるような暑い夏が続いているが、これはただの猛暑では済まない。なんと、海面温度の上昇によって、台風の破壊力が上がっているというのだ。山がちな日本に大量の雨が降り注げば、土砂災害が各地で起きることは火を見るより明らか。土砂に飲み込まれないようにするには、日々何に注意して過ごせばいいのだろうか?※本稿は、地球科学者で京都大学名誉教授の鎌田浩毅『災害列島の正体 ―地学で解き明かす日本列島の起源』(扶桑社)の一部を抜粋・編集したものです。
台風は年々巨大化しいまや
死者が出るほどの災害となった
2019年版『中小企業白書』(中小企業庁)のデータによると、1985年から2018年の集計の結果、すべての自然災害のうち台風の占める割合は57.1%と群を抜いている(図5-13我が国における自然災害の発生状況)。

ただし、被害総額で言えば、地震が圧倒的に高く、82.8%となっている。日本に住んでいる以上、どこに住んでいようと自然災害と無縁ではいられない。
台風は場所によってハリケーンやサイクロンと呼び名が異なるが、いずれも低気圧の成長という同じメカニズムで起きる。
台風による災害が、近年は巨大化している。