
早死にする人にはどんな共通点があるのだろうか。早死にしやすい人の要注意な口グセとは?ノンフィクション作家でジャーナリストの笹井恵里子さんが取材した。(ノンフィクション作家・ジャーナリスト 笹井恵里子)
早死にしやすい人の
意外な特徴とは?
前回、「性格と寿命」には深い関係があることを述べた。
性格を5つの側面――▽神経症傾向(不安感)▽外向性(活動的、社会的)▽開放性(好奇心旺盛)▽調和性(思いやり、周囲に合わせる)▽誠実性(意志が強い、几帳面)に分けて評価すると、世界の数多くの研究結果から、健康的に長生きするために最も大切な性格特性は「誠実性」であることがわかっている。
そして国内の百寿者(100歳以上)調査では、男女ともに「開放性」も重要な要素という結果であった。
誠実性や開放性がなぜ健康長寿につながるのか、簡単におさらいしよう。ひとつにはそういった性格特性が高いと健康的な活動や行動をする人が多く、実際に身体機能が維持されるという報告がある。その結果、認知症を発症しにくく長寿につながるのだ。誠実性が高い人が持つ几帳面さも、規則的なライフスタイルに結び付き、それが健康に貢献している可能性も高い。
また最近の研究では性格によって食べ方が変わることがわかり、誠実性と開放性が高い人は、食品多様性(いろいろな種類の食品を食べる)で高スコアを出している。腸内環境の側面からは、腸内細菌の多様性が健康を維持するとされている。
腸内細菌は宿主(人)が食べた物の“残骸”を餌として生きているため、食品摂取の多様性があれば、腸内細菌の多様性になって健康長寿につながるのだ。
それでは「短命になる性格」はあるのだろうか。
前回の記事で東京都健康長寿医療センターの増井幸恵准主任研究員が「健康指標とパーソナリティーには、4つの経路があると考えられる」とし、そのうちのひとつとして「ストレスにどう対処するか。苦手な特性を持つ人は寿命の短さにつながる」と指摘していた。改めて増井研究員が、ストレスに対する性格の影響について解説する。