この口グセが出たら要注意!
ストレスが強まっているサインとは

「ストレスについて研究を重ねたS・コーエン氏の報告が参考になります。同研究ではストレスによって心身に悪影響を及ぼすのは、大きく2段階とされています。最初は、『明日までにこの業務をして』『×日にテストを行います』などのストレス要因が発生したときにおける自己評価。専門用語で『アプレイザル(適応能力の自己評定)』と言いますが、これがストレスフルな状況を生み出すか、ストレス要因が良性となるかの境目です。

 神経症傾向が高い人は『自分にはできない』『なぜ自分ばかりが……』などと劣等感や敵意が強く出やすい。するとこの時点でストレスがかなり強まってしまいます」

 一方で誠実性が高い人は「私ならできる」と自己評価が高まりやすい。また外向性が高い人も「大丈夫、大丈夫」というような楽観主義の傾向があるため、悪いストレス要因にはなりにくいという。

周囲に声をかけて
サポートをお願いできるか

「次に、ストレス要因をはねのけるような考え方や行動ができるか、ということです。ストレスコーピングと言いますが、簡単に言えばストレス解消法。

 神経症傾向が高い人はもともと第一段階(適応能力の自己評定)でストレスフルな状況に陥ることに加えて、『もうクビになるかもしれない』とさらに落ち込んでしまったり、何気ない周囲の一言に傷ついたりして、自分自身を追い詰めやすいのです。やがて胃腸を悪くするなどの身体疾患や、うつ病などの精神疾患につながり、長寿の道に進みにくいと考えられます」(増井研究員)

 反対に外向性が高い人は「ちょっと飲みに行かない?」と周囲に声をかけて憂さ晴らしをしたり、「手伝ってほしいんだけど」とお願いしたりすることでソーシャルサポート(周囲の援助)を得られやすく、ストレスを受けにくいと報告されている。

「つまり大切なことは、ストレスを受けた際の楽観的な物の見方とソーシャルサポートです。その点、開放性が高い人は未知の状況への好奇心が高いため、不安にならずにいられます。誠実性が高い人は自己評価が高く、また外向性が高い人は遠慮なく周囲に頼みやすいのです」(同)