付属小があるか? 中学からの学校か?
中堅校を選ぶ際には、いくつかのポイントがあります。まず、付属の小学校がある学校と、中学から始まる学校では文化が大きく異なります。この違いを理解することが、お子さんに合った学校選びの第一歩です。
また、伝統的な男子校・女子校と共学校では雰囲気や文化が大きく異なります。共学は言ってみれば「わちゃわちゃした環境」ですが、これは成蹊や成城学園などの共学校ならではの特徴と言えるでしょう。
併設の小学校がある学校、特に女子校では、小学校からの内部進学者が強い影響力を持つ傾向が目立ちます。例えば東京女学館や、学習院、東洋英和、玉川学園などでは、代々通う熱心な支持者がいたりすることから、「純粋培養」という言葉も思い出されるような独自の校風を保ち続けています。
こうした学校では、小学校から上がってくる生徒と中学から入学する生徒の間に隔たりが生まれやすいので注意が必要です。そうした学校の雰囲気を「敷居が高く」感じたり、閉鎖的に感じたりすることもあるかもしれません。入学にあたってはその文化に溶け込む覚悟が必要で、保護者の想像以上に、この「文化の壁」は高いものなのです。
ただ、慶應や雙葉のように中学受験の偏差値が特に高く、そうした生徒の学力が突出して高い学校では、内部進学組と中学受験組のすみ分けがうまくなされており、中学からの入学者が窮屈な思いをするということもないようです。
初めて中学受験を経験するご家庭に私がお勧めするのは、中学から始まる単体の学校です。なぜならその中高自体の自助努力で変革がしやすく、中学から入る子どもを中心に考えてくれます。
例えば本郷や攻玉社のように、中堅校から難関校へと成長した学校は、最近中堅校として伸びてきている佼成、獨協、恵泉、山脇などは子どもをしっかり育てる教育力を持っています。
また、大学受験での進路も重要なポイントです。付属校でも、最終的にほとんど付属の大学に進学するのか、外部進学が多いのかで雰囲気が違います。
例えば、成蹊は約7割が外部の大学に進学します。これは「オープン」な環境といえます。
一方、立教は8〜9割が立教大学に進学します。小学校から大学まで「特徴的な文化」があり、その中で醸成される独自の環境を好む家庭には適していますが、もう少し多様性がほしいと思う家庭には合わないかもしれません。