最強の「認知症予防の魚」は
クロマグロ、サンマ、ブリ

 ランキングトップの「サバ(ノルウェーサバ)」は寄生虫が潜む可能性があるため、缶詰のほうが安心で使いやすい(缶詰の場合、オメガ3の含有量はざっと半分になる)。

 サバを除くと、ランキングの上位からクロマグロ、サンマ、ブリが、刺し身としても食べられ、日常食卓における「認知症予防の魚」として最強だ。サンマとブリは今が旬だから、一段と脂肪(オメガ3)が多く含まれるのも魅力。例えば5月上旬に漁獲される「初ガツオ」では100g当たり0.17g、秋に南下してくる「戻りガツオ」なら1.57gとオメガ3の量が増えるのだ。ぜひとも刺し身やタタキでいただきたい。

【認知症予防に!オメガ3系脂肪酸量 ベスト10】
(可食部100g
当たり、生で比較)

1位 サバ(ノルウェーサバ) 6.56g
2位 クロマグロ(脂身) 5.81g
3位 サンマ(皮付き) 5.59g
4位 ブリ 3.35g
5位 タチウオ 3.15g
6位 ニジマス(海面養殖) 2.56g
7位 ウナギ 2.42g
8位 カタクチイワシ 2.24g
9位 ニシン 2.13g
10位 マサバ 2.12g


出所:『日本食品成分表 2025 八訂』(医歯薬出版)をもとに独自作成
※入手困難、高塩分、副産物は除外

【缶詰】
(可食部100g
当たりのオメガ3系脂肪酸量)

イワシ(水煮) 2.92g
サケ(水煮) 1.37g
サバ(水煮) 2.73g
サバ(みそ煮) 3.33g
サンマ(味付け) 4.16g
マグロ(水煮 フレーク ライト) 0.15g
マグロ(油漬 フレーク ライト) 1.40g


出所:『日本食品成分表 2025 八訂』(医歯薬出版)

認知症予防に
お薦めの飲み物は「緑茶」

 オメガ3の1日の摂取量目安として成人は2g前後で、「サンマやマグロ(トロ)の刺し身なら2、3切れ、サバの缶詰なら3分の2」(望月氏)という。

 認知症予防の食品としてカレー、ナッツ、魚と挙げてきたが、飲料としては「緑茶」がお薦めだ。

 長年緑茶の効能を研究してきた静岡県立大学薬学研究院の山田浩特任教授らは、特別養護老人ホーム入居者の認知症患者12人を対象に、市販の緑茶を粉末化して摂取する臨床試験を行った(※5)。すると記憶力を測る「ミニメンタルステート検査」(30点満点)で、摂取前の平均値15.3点が、3カ月後には17点に。

(※5)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25268837/