売れる精度を上げるには
調査量を増やすしかない

 先ほどの問題の発展問題です。より多様な視点で分析して、より奥深い法則を導き出す方法を学んでいきましょう。

 あなたは大手お菓子メーカーの中堅社員です。上司にヒット商品の法則を見つけるように指示された新入社員が、前述のような答えを導き出しました。すると後輩は「先輩はどう思いますか?」と意見を求めてきました。より深い法則を見つけるためのポイントを、少なくとも3つ、後輩にアドバイスしてください。

STEP1 リサーチ対象の数を増やす

 先ほどの問題では、「ポッキー」「じゃがりこ」「キットカット」の3種類をもとに分析を行いました。しかし、より深い洞察を得たい場合は対象を増やすとよいでしょう。

 主な理由は以下の通りです。

・多様性の確保
より多くのお菓子を分析することで、異なるタイプやブランドの特徴を比較しやすくなり、消費者の嗜好の幅広さを考慮できます。これにより、ヒット商品の共通点を見つけやすくなります。

・より包括的なデータになる
3つでは限られたデータしか得られませんが、たとえば5つの分析を行うことで、より豊富なデータに基づいて法則を導き出せる可能性が高まります。多くの例を持つことで、統計的な信頼性も向上します。

・競合分析の強化
特に競争の激しい市場では、同じカテゴリーの製品を増やすことで、競合との相対的な強みや弱みを明確にすることができます。これにより、マーケティング戦略や商品開発に対する洞察を得やすくなります。

・市場トレンドの把握
5つの異なる製品を分析することで、市場全体のトレンドや消費者ニーズをよりよく理解することができます。複数の製品から得られる情報は、トレンドを見極めるのに役立ちます。

・学習の深化
3つよりも5つのほうが、異なる視点や分析手法を試す機会が増えます。多様な製品を通じて、より深い学びや批判的思考を促進することができます。