視界がよく、街中で運転しやすい
ドアを開け、クルマに乗り込む。

シートに座ると、前モデルから視点が一段上がったことがすぐにわかる。ヒップポイントが一段高くなっている。当然視界は良い。Aピラーの抜けと、ボンネット先端の見切りが瞬時に把握できる。縁石の角や歩行者、自転車の動きが明らかに前モデルよりも1拍早く見える”。交差点の左右確認、立体駐車場のスロープ、都会のコンビニの狭い枠。どれも掴みやすい。この“1拍の余裕”が、街中の日常運転を確実に楽にしてくれる。良いじゃないか、ムーヴ。
都内を抜け、練馬から関越に乗り約170kmを北へ向かう。翌日ガーラ湯沢で開催されるスパルタンレースに出場するためだ。混んだ都内+湯沢ICまでの道のりは、ムーヴの“日常性能”を測るには実に適切なコースだった。
先に述べた通り、このクルマは視界がとても良い。都内は特にラクだ。この感覚は大いに歓迎したい。ところが高速に乗って50kmほど走ったところで、腰と尻に鈍い痛みが出始めた。シートの造りが悪いのか。あるいはヒップポイント上昇で“椅子的”な姿勢になりやすいのか……この辺りは開発担当者にお話を伺って……と言いたいところだが、ダイハツ広報から「担当者多忙につき、今回はインタビューは受けられない」との連絡があった。ご多忙ですかそうですか。

尻痛腰痛発生の原因は、単独ではなく複合だと思う(ちなみに不肖フェルは腰痛持ちではない)。街乗りの範囲では問題になりにくいが、長めの移動ではもう一段の改善が望まれるところだ。