工藤公康工藤公康 撮影:上野裕二

47歳まで投げ続け、引退後も指導者として歩みを止めない工藤公康。本人が語るのは「学び続けることの重要性」だ。学びを止めないその生き方は、私たちのキャリア形成においても大いに参考になるだろう。※本稿は、工藤公康『工藤メモ「変化に気づく、人を動かす」最強の習慣』(日本実業出版社)の一部を抜粋・編集したものです。

シーズンオフの準備と
凡事徹底が大きな差を生む

 プロ野球選手は秋にシーズンが終わり、翌春のキャンプまでは基本的にオフとなります。

「オフ」といっても、プロ野球選手にとってのオフは「完全に休み」というわけでは決してありません。実はこのシーズンオフ(休み期間中)にどれだけ準備をしてきたかで、翌春の開幕に大きな差となって表れます。

 シーズンが終わった時点でその1年を振り返り、来季に向けての課題を見つけ、目標を立て、そのための準備を翌春のキャンプインに向けて少しずつ始める。毎日の練習量がわずかだとしても、それが積み重なっていけば膨大な練習量となります。

「微差が大差を生む」

 いい結果を残したいのであれば、このことを忘れずに努力を続けていかなくてはならないと思います。

 また、私は監督をしていたときに「凡事徹底」の大切さも選手たちによく説いていました。私の言う「凡事」とは、「基本」のことです。

 野球には「投内連携」という内野のプレーがあり、ピッチャーの一塁のベースカバーはその基本となります。

 これは、ファースト側にゴロが転がった際、ピッチャーが一塁ベースカバーに入り、一塁手はゴロを捕ってベースカバーに入ったピッチャーにボールを投げる(トスする)というプレーです。