でもわかっていたのに試合ではミスが起き、そのミスで負けるのです。そんな初歩的なミスを避けるためにも、監督は選手たちに基本的な動きの反復練習をさせなければなりません。なぜなら、その動きひとつを身につけたことによって、選手自身が救われることになるのですから。

 凡事徹底の大切さを頭では理解できていても、「反復練習は嫌だな」と思っている選手もいるかもしれません。でも、嫌だと感じてもやらなくてはいけないことが、プロの世界にはたくさんあります。それが結果として自分を助け、チームを助けることにつながります。

 だからこそ私は監督として、凡事徹底を継続することの大切さを選手たちに説き続けたのです。

妻から教えてもらった
食事管理の重要性

 私は26歳で結婚しました。それ以前は暴飲暴食を繰り返し、結婚した当初の私の体(内臓)はボロボロでした。私の肝臓の数値を見たお医者さんから「こんな生活を続けていたら死ぬよ」と言われたほどです。

 遊びほうけていれば、成績も上がるわけがありません。20代前半の私は「来年はもうクビになるかもな」と思うくらい、自分の将来を悲観していました。

 そんな私の悪い習慣を修正し、肉体改造と体質改善を行うべく正しい食生活へと導いてくれたのは他ならぬ私の妻でした。

 妻は私の食生活を正し、体質改善をするために健康や栄養学に関することを独学で学び、食材にも徹底的にこだわって私の食事をつくってくれました。

 食卓には、妻が私のために考えてくれたおかずがいつも10品以上は並んでいました(旬の食材を取り入れたおかずのほか、豆類や根菜、小魚、肝臓によいとされるシジミを使ったみそ汁、酢の物など)。

 いずれも体質改善を図るだけでなく、「体力をつける+疲労回復」も考えて妻がつくってくれたものでした。そのおかげで私の体調、体質は改善され、疲労も取れやすくなっていきました。もちろん酒量も減らし、夜の誘いはほとんど断って生活スタイルも一新しました。