工藤公康工藤公康 撮影:工藤公康

工藤公康監督が試合中ベンチでメモを取る姿を、覚えているだろうか?テレビで何度も映し出されたこの習慣こそが、90人の一軍選手を束ね、監督として5度の日本一を実現する原動力になった。ビジネスパーソンも取り入れたい「メモの力」を、工藤本人が解説してくれた。※本稿は、工藤公康『工藤メモ「変化に気づく、人を動かす」最強の習慣』(日本実業出版社)の一部を抜粋・編集したものです。

メモ帳に残した言葉が
未来の気づきを生み出す

 未来の自分を創造していくために、私はスケッチブックや手帳、メモ帳に自分のその時々の思いをランダムに記してきました。

・自分は何がしたいのか?
・何に貢献したいのか?
・それを実現させるにはどうしたらいいのか?
・どういった技術、あるいは知識が必要か?

 スケッチブックに書かれたそれぞれのワード(点)が線となり、その線からまた新たな線が伸びていき、気づけばそれが私の進むべき道を指し示してくれていました。こうして私は、新たな自分を見つけるための作業を繰り返してきたような気がします。

 人生は一生勉強です。知識が不足していたことで失敗したり、遠回りしてしまったりすることがあるかもしれません。また、情報や選択肢があまりにも多すぎると、逆にどれを選ぶべきか悩んでしまうこともあるでしょう。

 体のケアやトレーニング方法に関しても、知識を深めることで自分に合った方法を見つけ、より効率的に進めることができます。このような「思考と知識の重要性」は、私が監督をしていたときも、現役の選手だったときも、常に感じていました。