魚をもらうのではなく
釣り方を学ぶほうが大事
現役時代、私の周辺には「どうすればよくなるのか」「何をすれば一軍で活躍できるのか」と悩んでいる選手が多くいました。指導者や同僚など、周囲の人からアドバイスをもらうことは大切ですが、それだけでは十分ではありません。
新たな自分を発見して、次のステージへと進んでいくには「思考と知識」が重要なのです。
考える力があれば、その思考に基づいて自分で行動することができます。ただ、思考するためにはまず、基礎となる知識が必要です。いろいろなことを学び、知識を得ることが、自分のキャリアや生活を支える大きな力になります。
たとえば、ある方法に疑問を持ち、「このやり方はよくないのではないか」「自分に合っていないのではないか」と気づくことができれば、その場で軌道修正が利きます。
しかし、周囲に言われたことをただ鵜呑みにするだけで、あとになって「これは失敗だった」と気づいても、そこまでかけた時間は取り戻せず、さらにそこからの修正は非常に困難なものになります。
プロ野球の選手でも、一度崩れたフォームやパフォーマンスを取り戻すには多くの時間を要します。また、その取り戻す過程で故障やケガが重なると、モチベーションを失い、目標を見失ってしまいかねません。
だからこそ、武装というと大げさかもしれませんが、自分自身を守るためにメモやスケッチブック、手帳などのツールを用いて「思考と知識」を深めることが重要なのです。
みなさんにも、思考を続け、学びを重ね、知識を蓄え、自分の道を切り開いていっていただきたいと思います。
上司との関係の悪さは
結果を出すための原動力になる
会社に勤め収入を得ている以上、上司が嫌いだからといって何もしないわけにはいきません。どんなに不満があっても、結果を出さなければ評価はされないですし、それはプロ野球の世界でもまったく同じです。
監督やコーチとの関係がうまくいっていなかったとしても、いい結果を出せば給料は上がります。逆に、監督やコーチとうまくいっていたとしても、結果を残せなければ戦力外として自由契約になるだけです。