だが他の人たちは、悲観的な反応をする。それもうれしそうにだ。小説を仕上げるなんて無理だよと言い、そのあともしょっちゅう小説の進行はどうなっているかと聞いてきては、彼をいらいらさせる。
実際に小説が仕上がったら、本を出してくれる出版社など見つかるはずがないと言うだろう。そして運よく出版社が見つかったら、今度はその小説が売れるはずがないと予測する。小説の売れ行きがよければ、読者の程度が低いせいだと言うかもしれない。

このように何ごとにつけても悲観的な見方をする人びとに認めてもらうのは簡単である。小説家になる夢を捨てればよいのだ。
そうすれば彼らは気の合う仲間として彼を受け入れ、両手を広げて歓迎するだろう。彼を招き入れ、座り心地の良いソファに一緒に座って、失敗するかもしれない夢を追いかけている人びとをあざ笑う仲間に加えてくれるだろう。
だがこれは、本当に彼がつきあいたいと願っている仲間なのだろうか?この人たちから認められるために、夢の追求を諦めたいと、本当に思っているのだろうか?
ストイックは言うだろう。
この人物は他人の意見に無関心になるのを覚えたほうがよい。そしていま述べた人たちこそ、真っ先に無視すべき相手なのだ。