新世紀に入っても両国は、2014年、2016年、2020年と紛争を繰り返してきました。
裏切られたアルメニアも
反ロシアを鮮明に打ち出す
一方、アルメニアは、ロシアが主導する軍事同盟「CSTO」(集団安全保障条約機構)の加盟国。紛争が始まると、アルメニアは、CSTOを主導するロシアに支援を求めました。
ところがウクライナ侵攻で手一杯のプーチン・ロシアは、アルメニアを見捨てたのです。アルメニアのパシニャン首相は激怒しました。
〈旧ソ連圏の集団安全保障条約機構(CSTO)首脳会議が23日、アルメニアの首都エレバンで行われ、開催国のパシニャン首相が、軍事同盟の在り方に不満を表明した。ロイター通信などが伝えた。係争地ナゴルノカラバフで2020年にアゼルバイジャンと再び衝突し、支配地域の多くを失った経緯があり、CSTOの「機能不全」への不満を盟主ロシアのプーチン大統領にぶつけた〉
「時事」2022年11月24日付。
「時事」2022年11月24日付。
ちなみに、ナゴルノ・カラバフ紛争は、2023年9月にも繰り返されました。
トルコからの支援を受けるアゼルバイジャンは、ロシアからの支援を期待できないアルメニアに圧勝。アゼルバイジャンは、ナゴルノ・カラバフへの主権回復を宣言したのです。
これで、30年以上続いたナゴルノ・カラバフ紛争は、アルメニア勢力の敗北で終結したと見られています。
アルメニア国民とパシニャン首相は、ロシアの不義理に憤り、CSTO離脱の動きを加速させています。
〈アルメニアのパシニャン首相は12日、旧ソ連圏6カ国でつくるロシア主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構(CSTO)」から脱退する方針を正式に表明した。国営通信アルメンプレスが、首相の議会における発言として伝えた。パシニャン氏は「われわれは(CSTOを)脱退する。その時期は今後決定する。もはや決して復帰しない」と語った〉
「ロイター」2024年6月13日付。
「ロイター」2024年6月13日付。