ウクライナ、モルドバ、ジョージアは、EU加盟申請をし、「旧ソ連圏離脱」の意志を明確にした。アゼルバイジャンは、ロシアを捨て、トルコを選んだ。

「ナゴルノ・カラバフ紛争」でロシアに見捨てられたアルメニアは激怒。ロシア主導の軍事同盟CSTOからの離脱を宣言した。

 中央アジアは、ロシアを捨て中国と「運命共同体」をつくろうとしている。

『[新版]日本の地政学』『[新版]日本の地政学』(北野幸伯、扶桑社)

 というわけで、ウクライナ侵攻により、旧ソ連諸国はバラバラになりました。いまだに、「ロシアの勢力圏」といえる国はベラルーシぐらいです。ロシアは、「旧ソ連の盟主」の地位を喪失しました。

 プーチンは、ロシアの「緩衝地帯」である「旧ソ連圏」を守るために、緩衝国家ウクライナを欧米に奪われないために、この戦争を開始しました。

 しかしその結果、ロシアは弱体化。旧ソ連諸国は、欧米や中国に走ってしまい、結果としてロシアは「旧ソ連圏の盟主」の地位を喪失したのです。完全な「戦略的敗北」「地政学的敗北」といえるでしょう。

 それほど、プーチンのウクライナ侵攻は、悪手だったのです。